嵐の中に身を駆り立てるような去年の夏の今頃と比べて今年の夏はとても退屈に思えて、情熱を注ぐあらゆる対象への熱量が冷めてしまったような気がしたけど きっと理想を追い求めて心を焦燥させることに少し疲れてしまっただけだ。そのかわり自分と真正面から向き合おうと決めたら生まれてから今まで起きたいろんなことを思い出して、そのひとつひとつを時間をかけてゆっくりとなぞることが出来た。ひとつの時代が終わろうとしてるこのタイミングでそれが出来たのはとても良いことだと思う。よく考えたら今年の夏は新しい音楽にたくさん触れたり祖父に恋人を会わせることが出来たりと嬉しいことや楽しいこともあった。今のわたしには景色や瞬間は勿論だけど何よりこういう経験が一番大切だと思える。

 

安らぐ場所を 夢に続きを 君におかえりを

 

塾をサボって土手の上でLetters聴きながら月に雲の影がゆっくり重なっていくのを眺める時間が好きだったのを思い出した。

 

子供の頃のわたしは面白すぎたし、それを知っているのはこの世でわたしだけだなんてって思うとやっぱり誰かに知っていてもらいたい気持ちになるけど、みんな他人の過去の話なんてとりわけ興味が無いだろうから、冷静さを欠いて一通りお喋りし終えた後には必ず激しい自己嫌悪に襲われてしまう泣

 

恋人はわたしの考えが浅くても言葉が拙くてもへらへらにこにこ朗らかに過ごしている様子が好きなんだろうから、無理に難しいことを考えなくて良いんだよって自分に言い聞かせる。

けど、本当はもっとわたしの脳を覗いてほしいという願望も少しだけあって、悲しさや寂しさは全部言語化しないと伝わるはずなんかないけど、今のわたしにはそれが出来ないから苦悩を嘆く資格はない。

 

全然知らない人に、常にリードを付けられていないと駄目なタイプなんだねって言われた覚えがある。

自分の感情との向き合い方を考えるあまり頭がおかしくなりかける、かと思うと何もかもどうでもよくなって思想の断捨離を始めて最終的に節操を失う。現状は前者だけど、これが過ぎ去ったときの方が危ない。心身ともに不健全になるし、2年前の夏はまさにそれだったから気をつける。人間関係において衝突したり傷つけあったりして、本来とっくに丸くなっている頃なのに私の心はトゲが増すばかりで泣きたくなってしまう。

日本は知らぬ間におかしくなってたのか、それともずっとおかしかったのを最近やっと気づいたのかどっちなの。他人の言葉を借りるけど、男の敵は女とか女の敵は女とかじゃないし自分以外は全員敵だからって本当にそう。